私が子どもと実家山形に帰省しているとき、愛知で旦那さんは一人で過ごしています。そして、仕事を終えた金曜日に私たちを追っかけて山形に来たりするわけなのですが、そんな時彼のアイテムに変化のあることがしばしばです。

例えば、
メガネがめっちゃ白黒になってたり
バナナばっかりの柄の短パンはいてたり
と、そんなことなんですけど、今年の夏の帰省では、いつも通りの金曜日に山形へ来る彼を迎えに行ったら、出てきた人が、斎藤茂吉。

斎藤 茂吉

山形出身の歌人であります。医師でもあり、アララギ派の歌人として有名な山形の偉人であります。
私が通っていた小学校には、卒業生である斎藤茂吉から送られた歌が刻まれた石碑があり、何度となく先生の口から出てくるその歌、そして斎藤茂吉という人は、なんとなく身近な存在でした。だから、彼が黒い丸メガネをして駅にあらわれたとき、すぐに斎藤茂吉だ!と思ったわけです。

この丸メガネ、そうとう印象的に彼の顔におさまっており、子どもには大不評。
一緒に父さんと出かけてほしいのに、丸メガネと一緒にいることが嫌なあまり、大泣きで「母さんがいいよ~。丸メガネは嫌だ~。」と叫ぶ小4の娘。
「絶対授業参観には父さんは来ないでほしい。丸メガネだし自作のTシャツだし、変すぎるでしょ。」と中1の息子。
なんて迷惑なんだ、丸メガネ。

でもこの丸メガネのやりとりから、私が中学生だった頃の懐かしい記憶がよみがえってきました。

私が中学生のころ、とにかく親と一緒にいるところを見られるのが恥ずかしくて恥ずかしくて、家族全員肥えてて、本当に家族感丸出しなのに、もう私だけ他人よ、みたいな存在でいたくて、そんな時期でした。
そんな私。駅前にあったダイエーで買い物をし、お母さんにソフトクリームを買ってもらってバスに乗り込み、一番後ろの座席にお母さん、妹、私の3人で並びながら、ソフトクリームをなめていたその時!
あ~、あ~ぁ、なんと同級生がバスに乗り込んで来たではありませんか!

お母さんといる。そして、ソフトクリームをなめている。しかも家族で並んでなめている、という、その当時の私にとってはもう恥ずかしさ極まりない状況をどう回避するべきか、とっさにとった行動は、前の座席に頭をつけて寝ているように見せかけつつ、ソフトクリームを必死でなめるという行動。周りの人から見てみれば、普通に隠れてソフトクリームを食べる人以外の何物でもなかった。

ソフトクリーム@バス


こんな中学生の私を我が母は、
「お前、中学生のとき、家族みられんのやんだっけもな~。」とあっさり振り返り、終了。
我が子に私を隠したくなる時期はいつくるのか…(もう丸メガネは隠されたくなってるけど)と思いつつ、そんな思春期真っ只中の私をあっさり受け止め育ててくれた父母にあらためて感謝するのでした。

部員 オノヒロミ